秋葉舞子「100年の予約席」


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秋葉舞子「100年の予約席」という個展に行ってきた。

http://maiconews.exblog.jp/14764252/

雪の日だったけど、見知らぬ場所に訪れる高揚感もあいまって、年甲斐もなく人気の入っていない雪道ばかりを選んでいきました。場所は代田橋にあるカフェCHUBBY。笹塚と明大前に挟まれたこの場所に降り立ったことはなかったのですが、店に入って気分がふわっとなりました。店内は広く、たっぷりと間隔をとってテーブルが並び、コンクリート打ちっぱなしの部分と木の部分のバランスがとてもいい。僕はゴム底だったけれど、革靴ならばその足音までもがこの心地よい空間の演出になるんじゃないだろうかと思うほどでした。大きな窓から見える雪景色もよかった。

この作家さんを知ったのは、去年読んだ本の中でもベスト10に入る「髪飾りの少女」という絵本でした。この記事のすぐ右側にある「2011マイベスト10冊」に紹介してあるのでよければチェックしてください。絵本に出てくる髪飾りの少女がとても可愛らしく、寂しげで、すぐさま愛着がわいたのですが、しばらくしたらいろんなグッズが発売されていました。

絵本と髪飾りの少女ストラップ
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こちらはメンズ用のトランクス。もったいなくてはけません。プリントの色合いもよく、僕とは違い高級感漂ってます。
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「100年の予約席」というタイトルも素敵ですが、そのコンセプトも面白く、100年後のカフェを再現するというもの。色あせ、錆び付き、剥がれ、苔生す。そのエイジングされたアイテム達は、まさしく永い年月その場所で行き来するお客達の時間に寄り添っていたのだろうか?と思わせる静けさと優しさをそなえている。アンチエイジングが流行る今日だからこそ、この逆行したコンセプトが魅力的に、そして自然に見えてくる。

ちょうどランチタイムだったこともあり食事をしたのですが、シンプルで優しい味でした。ありがちなカフェ飯ワンプレート、みたいなものを想像してたのですが、小さな器に盛られたご飯とサラダ、そしてメインの3点のバランスがとてもよくて、お店の雰囲気に合ってました。あとはアイスコーヒーのミルクとガムシロのピッチャーが、さらに四角いトレイに乗って出てきたのも好感がもてました。チェーンの喫茶店ではないのだからひとつひとつのアイテムを丁寧に扱っている感じがよく出ていましたね、まあ勝手な想像ですが。

個展を見に行くというよりかは、その空間に身をひたしに行くという感じでしょうか。そしてそこにある古時計やアコーディオンなどのエイジングされたアイテムが、100年間見てきた過去を想像するのです。喧噪から離れた場所で、まるで対話するかのように。

予約席は今日も待っています。誰かが来るのを。

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