「ラクをしないと成果は出ない」日垣隆


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前職が営業マンだったせいもあって、業績を上げるために読んだビジネス書は膨大な数でした。ほぼ毎日、何かしらの本を買っては電車での移動中に読んでいました。

ビジネス・自己啓発書のたぐいには当たり外れが多く、これ他の本にもそっくりそのまま同じこと書いてあったじゃん!!なんてのはざら、中には同じテーマ、同じ構成、あきらかにパクりでしょ?ってのもありました。ビジネス書のジャンルを読み始めた最初の頃はそんなことに怒りを覚えていたのですが、数読むうちに考え方が変わってきました。

同じテーマについて書かれていても、その文体によって、心に響く場合とそうでない場合がある、ということです。

例えば「お客に対してこちらから営業するよりも、きっかけだけを提供して向こうがその気になるのを待ったほうが、無駄なエネルギーを使わないし、断られる機会も少ない」ということを伝えるとしても

「自分から営業するのはバカのやることである」

「餌まいて待ってたらええやん!!なんで断られる為に電話代使わなあかんねん?」

「そんなにキツくない言い方でも、断られるということはボディーブローのようにじわじわと効いてくるので電話営業以外の方法を考えるべきだ」

「自分がある女の子を好きになったら色々したくなるでしょう?ただがむしゃらに付き合って!!とゴリ押ししても無駄なことは一目瞭然。相手が望むことをどこまでもやってあげる。そして自分に対する印象が良くなったところで、じゃあ来週デートしてもらってもいいですか?時間はそちらの都合でいいですから。と切り出すほうが得策だ」

などなどいろいろな書き方がある。僕の場合だと、結論をばしっと書いてその説明をされるより、その文脈の中で自然に他の例えを持ち出して語ってくれるほうが心に響きやすい。脳科学や生物学の読み物は例え方がうまい気がします。

ですから、えいっ!と一冊本を買ってじっくりと熟読するのはナンセンスだという事に気づき、元がとれたとれないを気にせずに一気に短時間で読んでしまうことにしたのです。直感で、これは最後まで読んでも意味ないなと思ったら、30ページしか読んで無くても、営業途中で降りた駅前に古本屋がタイミングよくあったらそのまま売ってました。

で前置きが長くなりましたが本書「ラクをしないと成果は出ない」についても、はいはい、無駄なこと止めて効率化を追求しようって話でしょ?そうするとトヨタカンバン方式や改善の話も出てくるんだろうなぁ、でもまあ読んでみるかなくらいの気持ちで読み始めました。まだ単行本の時です。

AMAZONで本の目次を見てもらうと話が早いと思いますが、1章につき10項目×10章で合計100の知恵が書かれています。この目次だけでもグッとくるものがあり、1項目につき2ページさかれていますが、その2ページの中にもこれは凄いという考え方が多数あったので、これは違うなという部分をさっぴいても100以上の、良いなという部分がありました。

これは自分にも即可能、これはまだ先、こちらは・・・できたら早めに取り入れたいけどまだ無理・・・などと思う行動形式や考え方が、たくさんの時間軸で用意されているのが他の自己啓発書と違うと思います。ただ仕事に応用する為のノウハウだけではなく、著者のライフスタイルに沿って書かれている部分もあるので、まずは自分のライフスタイルを見つめ直すことにも役立ちます。サラリーマンしか知らない僕が、他の収入源も作ろう、自営も視野に入れてもう一度考え直そうと思って、実際行動にうつせているのも本書のおかげです。そして今思うとそれは、やってよかったことでした。

あまたの自己啓発書のいいエッセンスをギュッと詰め込んだ本書の目次、そのなかでもこれは忘れちゃだめだという項目は、いつでもそこに立ち返れるようにiPhoneのメモツールに飛ばしてあります。

51 好きな仕事を増やすために、好きではない仕事を毎年二割ずつ削除する
57 貯金しなくても良いようなキャッシュフローを、常態化する
60 今いるメンバーを前提にする。「上手くいかない」のを彼らのせいにしない
64 共有する言葉の定義を明確にしないと、誤解が量産される
82 「好き」をお金にしてゆく
88 毎晩アルコールが欠かせない人は伸びない

このあたりの項目は本当に痺れた。88番に関しては自戒の意味を込めて。


BGMは内容と全く関係ありませんが、今聞いている永瀬正敏「FOR THE BOYS」。ぼくたちまるで地図の無い裸のDNAというフレーズがもう何年もの間ずっと頭にこびりついて離れないのです。
永瀬正敏 フォー・ザ・ボーイズ

こちらが原曲。これもまた素晴らしい。
HILLBILLY BOPS 夢見る頃を過ぎても