「ゆるく考えよう」ちきりん

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村応援してくれると嬉しいです!

あっという間に読み終えて、しかも充実感がある。自己啓発本の類いかと思って購入しましたが、カテゴリーが違ってました。今までの自分の価値観がひっくり返される快感。大人気のブログを書籍化したものですが、なぜ今までしらなかったのだろう。内田樹を知ったときもそうだったんだけど、やはり人気のあるブログはチェックしないといけないな。このブログを知らずに損した。本書を読んだ後でははっきりとそう言えます。

本の最初のほうに、「とにかく頑張る式のやり方は非生産的」という記述がある。そこから、なるべくゆるい方向で考えてみようよという呼びかけが始まる。この寄り添うような感じが、リラックスさせてくれるのだ。いいじゃんいいじゃん、そんなに眉間に皺寄せて頑張ったってどうなるのさ、と友人にポンと肩叩かれながら言われてる感じ。

ゆるく考えるといっても、決して、楽しようといっているわけではない。視点を変えて、本質を見るようにすれば、おのずと、無駄に頑張っている部分が排除されてくるよね、あとはちょっとしたコツがあるから、こんな風に考えてみたらどう?

「お酒と恋愛が素晴らしいのは、いずれも、見たくないものをごく自然に、視界から遮断してくれること」

「だから辛い時には、血中のアルコール濃度を意識的に
上げてみてはどうだろう」

実際にうまくできるかどうかは別としても、お酒好きの僕にとっては凄くドンピシャな例え。ちょうど今日、仕事中にかなりテンパって数十分ガクンと落ち込んだ時間があったんだけれども早速使ってみました。AIR飲酒でフリもつけて。

それから、こういう見方は斬新だし、実際に自分でそう考えることができたら気が楽になるよなぁと感心したセンテンス。

「できるだけ鈍感になること・あまり考え込まないようになることも成長と呼べるのではないか。スキルが上がったり、知識が向上したり、判断力に磨きがかかったりすることだけではないんだよ」

なんだろうこの、負担をなるべく減らしたらどうよ?という物言いのやわらかさ。ガツガツとは縁遠い、けれど本質をさらっと言ってのけるクールさ。

他にも引用したい記述は多々ありますが、かなり長くなってしまうので、まずはブログを読んでもらうのが早いかも。タイプ、カテゴリー、レイヤー、様々な状況や環境や方法をいくつかに分けてそれぞれについて説明していく箇所もあるのですが、その分け方が秀逸で納得度合いが高い。特に、「できる人」のタイプ分けを、パソコンまわりで例えている文章は最高で、自分はどのタイプを目指したらいいのかが明確になった。

いいことずくめの本書ですが、その理由は最後に書いている「ものごとには良い面と悪い面があるから、どうせなら良い面をより多く見ていけば楽しく暮らせるね」という一貫した思いがあるからでしょうか。背中をガツンと押してくれるような励まされ方ではなく、そっと寄り添い、やさしさをメインにそっと声をかけてくれるような感じがするのです。