高嶺格「とおくてよくみえない」

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映画でもライブでもいいし、美術館でもOK。仕事ばかりして文化的なインプットが少ない時期が続くと、自分の価値観が下がってナメクジに塩を振ったように萎んでいく感じがする(やったことあります?最後なくなっちゃうんだよ!)ので、Twitterで評判の良かった企画展を見に横浜美術館へ行ってきた。東京に住んでいた頃は、大好きな原美術館にしょっちゅう行っていたし、大きな美術館が狭い範囲に点在してたので、ハシゴしながらお腹いっぱい見ることができたのですが、藤沢に越してからは東京まで出るのが億劫になってしまい(交通費が往復2000円かかるせいもあるけど)あまり選択肢がないので、横浜美術館は重宝している。場所柄、見終わったあとの遊び場もたくさんあるしね。

今回は高嶺格「とおくてよくみえない」。様々なインスタレーションが意味の分からないまま視界に飛び込んでくる。刺繍絨毯のようなミニマルな作品から、視点を変えることによって見えるものが違ってくる、壁一面に蔦のように葉脈のようなオブジェを配した作品、暗がりの部屋にいろんなものが散在する中、スポットライトが目まぐるしく移動して床に描かれたメッセージを数文字ずつ照らしていく作品など、良い意味でてんでばらばら、見る者を不可思議な世界へいざないます。意味を嗅ぎとろうと頑張るものの、でもそんなことどうでもいいや、と思わせる。他にもいろんな展示があり、本当にアートって何でもありじゃん!やり切ってるなぁという爽快感がありました。

常設展のほうは、シュルレアリズム好きにはたまらないカンディンスキーやエルンスト(その細密さ、卑猥さ、得体の知れなさに痺れまくった!)マッタ、ポールデルボーとひたすら楽しい。森村泰昌のフリーダカーロをモチーフにした6枚の展示もインパクトがあって良かったです。

建物の構造的に、企画・常設ともに見ると、美術館の外周をグルっと歩くかたちになるので、移動距離が長いのが横浜美術館の特徴で、これは少し疲れるかな。でもその後に、観たものを反芻しながら飲むビールは最高なのでした。アート好きな方は是非に。