3/30「買った本」

楽しみにしてた中原昌也の自伝。昨日某書店で確認したらちょっとパソコンたたいてウチでは取扱いありませんとそっけなく言い放ったので、Amazonのページ見せたら色々調べ出した。いつ発売ですか?何でご覧になりました?などという一言がかけられないものか。なーんて少しクレーマーちっくだけど、自分も長い間書店で働いていたので、手間を惜しんで客の購買欲をぶった切る行為に敏感に反応してしまう。で本日別の書店にて入手。クソ不味いコーヒーを出すチェーンのカフェでついさっき読み終えた。音楽・映画を中心に夥しい数の固有名詞が飛び出し、恨みつらみや悪口が何のフィルターも通さずだだ漏れて紙面に飛沫。その語り口はユーモアを含まずひたすら悪趣味なんだけど、常日頃自分が口から発せず、しかし頭の中には渦巻いている悪い言葉がそのまま表れているので痛快。とはいえ、語り下ろしのような体裁なので、編集できちんとまとめられているから読みやすい。中学生の頃のオナニーとイジメの話がよく読むと凄まじい。読んでいる間中、ノイバウテンの音楽がガガガガギギギギギギと脳内で鳴っていた。しかし「芸術は大人の足し算みたいなものだ」なんていう名言も随所にあり、すかさず暴力温泉芸者のCDを聴きたくなったがとうの昔に売り払っているのであった。

もう何作か出ているピンチョンの全集だけど、何となくまだ買う時期ではないのではと思い、いずれもスルーしてきた。表紙をめくると四角い背表紙に虹色でタイトルが印刷されていてすごく所有欲をそそるのでどのタイミングで買うかが悩ましかった。で今回は名作「V」ということでようやく思い腰を上げた。しかし本当に読むのか?

こちらは各方面で絶賛されているジュノディアズの邦訳2作目。新潮クレストブックスの記念すべき第一弾が同じ著者のもので、たしか古川日出男が帯文を書いていた気がする。今までにない読書体験だと高橋源一郎は書いているが、このフレーズはよく使われるなぁ。

これはECDの新刊に紹介されていたので購入。震災以後、これからどう生きていくか、どこに自分の幸福の指針を設けるか、何に対して積極的にコミットしていくのか、などととりとめもなく考えていて(いや、思いだけがぐるぐる回ってるだけかも・・・)錯綜する情報のどこに真意があるのか、国家はこの期に及んでなおブラックなエリアを守ろうとしているのか?なんて思っていたら腹も立ってきて、やはり行動を起こさねばと強く思うのだ。その足がかりとして参考になるかと思い購入。まずは現実を直視することから始めよう。

詩人である和合亮一Twitterが素晴らしく、そのツイートに日々心は乱されたり、勇気づけられたり、同情したり様々な思いを抱かされている。そしてここ最近「詩」というものををもう一度自分の日常に寄り添わせるために家にあるいろんな詩人の詩集を読みふけっていたのだ。しかし僕が一番衝撃を受けた福間健二の、この本だけがなかったので買い直した。単一の色で構成されていた景色が少し後ろを向いた瞬間に夥しい色彩を得て再構成される。そんな劇的なシーンを言葉で紡いでしまう福間健二には、彼を知って10年以上経った今も魅了され続けている。雀社から刊行されている詩集「地上のぬくもり」の中に「いま」という詩がある。もし僕が結婚することがあれば、この詩に書かれている意味と同じ決意を持っていなければダメだとすら思う。ずっと長い間、僕の人生の羅針盤となっているのです。

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