「最高のチームをつくるシンプルな仕掛け」黒岩禅

にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村ランキング参加中です


仕事は自分一人でやってるんじゃない!とはよく言われることだけど、実際の現場でリーダーになった方ならこう感じるんじゃないだろうか?「ああ、こいつら全員が俺だったらよかったのに!」

僕もそう思ったことがあります。言うことを聞かない部下にイライラし、確認を怠ってロスを出したバイトに殺意を覚え、結局自分一人が駆けずり回ってヘトヘトになってしまう。そんな日々に疲れ、コーチングや部下の育て方的な本を乱読していた時にこの本と出会い、すごく救われたのです。「改善?そんなの今日からできるよ、君の悩み問題なし!」とはっきりと言葉にして励ましてもらったような気になったのです。

TSUTAYAマネージャーである著者の挫折物語から本書は始まります。このストーリーがとてもよく、著者がやってきたことや、いろんなシーンでの精神状態が手に取るようにわかる。あぁ、俺も同じ教え方してたよ!と共感の嵐。失敗の実例を物語として読むと共感度合いが増しますね。46Pありますがあっという間です。

その決定的な間違いを直す為に著者は自己改革を始めます。間違っていた時代は「北風のアプローチ」でスタッフと接していたのが、改革後は真逆の「太陽のアプローチ」。

本文にも出てくるけど、本書をまとめたキーワードはこんなところ。
「部下に費やす時間を捻り出すことが上司の仕事」
「上司に共感しや部下が上司の教えを守ろうとする」
「1行でもいい、態度に示さない関心は無関心と同じ」
ざっくり言えば、上司は人たらしになれ!ということ。

似たような内容の類書もたくさんある。一つ一つのトピックを見れば目新しさはそんなに無い。しかし現場が、僕らにも馴染みの深いTSUTAYAであることで、著者のメッセージに臨場感がわく。例えば、「わかっていることをわざわざ上司から言われるとムカつくし(ヘソを曲げる)元気がなくなる」なんていうことは上司である自分もいく度となく経験したことだ。じゃあどうすればいいのか。その答えが実例とともに書いてある。イメージもしやすい。

共感したトピックを羅列しても本書の良さは伝わりにくい。一つの物語として全体を読むことで、シンプルな仕掛けがビシビシ心に飛び込んでくる。奇しくも僕の仕事もビデオやDVDを扱っているから、この本は店に置いて折に触れては読み返している。

売店の店長さんなら100%オススメです。もちろんそれ以外の部下を抱えているみなさんにも。速効性抜群ですよ!