夢のような甘い口づけを大人は知らない

昨日はお誕生日会でございました。場所はいつも僕が飲んだくれているワインダイニング。

http://www.matapota.jp/

東京から引っ越してきて一ヶ月、どうしても行きつけの飲み屋もしくは、酒を出す喫茶店やカフェを作れなかった僕は、それまではなんとなく入りにくかったこの店に酔った勢いで飛び込んだのです。

そしたら僕好みのお酒やつまみがあり、柔らかい物腰のマスターとも話が合ってそれから通うようになったのです。

とはいえ、毎日行くわけではないので、1年通っても頼んでいないメニューが沢山あるのです。たいていはおいしかったものを繰り返し頼んでしまうので、自然とそうなりますよね。

誕生日会でお世話になったので、今日は一人でランチに行きました。いつも頼む絶品のパスタを注文しようと思ったけど、ふと今まで頼んだことのないパスタを注文してみようと思い「柚子と明太子のスープパスタ」をオーダー。

美味すぎて死ぬかと思いました。ここは生パスタなので食感はもともと良いのですが、柚子とレモンと明太子の組み合わせがこんなにハマるとは思いませんでした。

マスターに話を聞けば、イカの塩辛をご飯にのせてお茶をかけた瞬間の、塩辛のエキスがお茶に溶けて、イカも少し白くなったあの状態をすかさずかき込むことの幸せをパスタでなんとかできないか、というかなり無茶ぶりなオーダーにシェフが頭を悩ませた末にできたメニューらしいです。

だからスープは最後に回し入れて、柚子の香りを立ち上らせた状態で席に運ばれてくるのです。明太子も、ほんとに少しだけスープがかかっているので、後は自分の好みに合わせて、スープに溶かしていけばいいのです。明太子が溶け始めたスープがいい塩加減で最高なのです。そして時々スプーンで柚子とレモンを軽く潰し、そのさわやかな香りを何度も楽しむのです。味が決まっていく過程を存分に楽しんだ後には、底に沈んでいる明太子のつぶつぶをスープと一緒に味わうのです。

僕が知らなかっただけで、元々人気のメニューだったそうです。

料理人ってやっぱり凄えやと思った暖かい午後の一コマでした。

タイトルは全く関係ないです。今聞いている毛皮のマリーズ「メリー・ルー」のいちフレーズです。新しいアルバム最高にいいですね!