「仕組み進化論」小飼弾

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小飼弾の「仕組み」進化論 - binWord Inc.小飼弾の「仕組み」進化論 - binWord Inc.

仕組みを作るということがどれほど大事なことか。頭ではわかっていれど、現実的には中々作り出すことができない。仮にできたとしても、あまりに出来の悪い仕組みだから、結局もとのやり方のほうがよかったよね、ということにもなるだろう。営業マン時代、様々な改革に乗り出してはみたが、その成功率たるや散々なものだった。そして仕事が変わった今、再び新しい仕組みを作って、自分の人生自体を機能的に整備しなければと思っていた矢先にiTunes Storeに本書が出ていたので購入しました。

Google社が行っている20%ルールは、「勤務時間の20%は自分の好きなプロジェクトに費やす」ということで、それを最初に知ったときには本当に羨ましい限りでした。しかし本書では、20%じゃ足りないといいます。本当の20%ルールとは、80%を好きなプロジェクトに、残りの20%を既存の仕事にあてろ!という荒唐無稽な意見です。そんなばかなと思えど、そのくらい極端に考えないと、以前の僕のように中途半端な仕組みしか作れず、自由な時間の確保もままならないのかもしれません。

それではどうやって本当の20%ルールを達成できるのか。どう仕組み作りをしていけばいいのかが、わかり易く簡潔に書かれています。

「あらゆる仕組みはテコと奴隷でできている」ことや、「仕事を定量化する為」のメソッドなど知っていることもあるのですが、「仕組みというのはある程度繰り返し使ってはじめて元がとれる」というところまでは知らなかった、というか思いがいかなかったのでとても参考になりました。

「自分サボったらいったいどんなことが起きるのかをビビッドにイメージしておく」「悪いNEWSから先に伝えるということを徹底させる為に、リーダーはつねに笑顔でいる義務を負う」などという一見精神論っぽい記述も、よくよく噛み砕いてみれば、仕組み作りの一環としての発言ですね。

本書の終わりのほうではこんな記述があります。

「十分に発達した科学技術は魔法と見分けがつかない」というアーサー・C・クラークの言葉にならって、「十分に発達した仕事は遊びと区別できない」そして、「既存の仕事を片手間に回しながら、新しい仕組みを模索し続けるのが将来の働き方」だと言い切る。

もちろん一朝一夕に出来ることではないけれど、ダイナミックに思考をチェンジすることが全ての始まりであるならば、この言説は非常に頼もしいといえるでしょうね。

頑張れ、自分。


BGMは久しぶりに夏木マリ。クレイジー剣が歌っているバージョンもあるんだけど、こちらはこちらでカッコ良い。
「ローマを見てから、死ね」タイトルも秀逸。
http://www.youtube.com/watch?v=FanvOLUuGec&feature=youtube_gdata_player