「群像11月号」


何かと物議をかもしている高橋源一郎「恋する原発」が一挙掲載ということで朝イチでいそいそと買いに行きここベローチェで読み終わった。

このフォーマットできたのか。おいおい大丈夫か?俺ですら不謹慎という言葉が頭をかすめたよ。しかし詰め込んだな、ごった煮じゃん、
カンナオトもクリントンもヨヨチューも。固有名詞の数々が霧散していく。闇と虚空に話しかけた言葉だけで構成されたミュージカル。ひとつだけには決められない。他人の痛みはわからない?ぜひ自分の目で確かめてほしい。

そして初めて読んだ木下古栗の小説、これがたまげた。状況説明の間に会話が入り乱れ突然に新しい人物が登場しまた消えては現れて気の利いたことを口走ってはまた消える。「〜が〜した。そのとき〜と言った」その組み合わせのおびただしい集積だけで物語が進む。何言ってるかわからないでしょう。ごめん、僕もわかりません。でも何だろう、渋谷から東横線に乗ったはずなのに次の停車駅が五反田でその次は東小金井、またその次は鬼子母神前で次が向ケ丘遊園、というふうに乗った電車が自然と他の沿線に接続されて、たしかにきちんと駅に止まるのだけど、結果どこの目的地に連れていかれるのかわからないという感じなのです。

他の連載やインタビューや鼎談など、久しぶりに文芸誌をじっくりと読んだのですが、とても充実した一冊でした。

【今日の一曲】
アラフォー世代にはなつかしい?今回のいかんせんポップな小説には80年代がよく似合う。
http://www.youtube.com/watch?v=bDBdEael-Rg&feature=youtube_gdata_player

絲山秋子も大絶賛?していた短編が入ってます。

高橋源一郎「悪と戦う」電子書籍版。こちらもじわじわと染みてくる小説でした。
「悪」と戦う - Kawade Shobo Shinsha Ltd. Publishers

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