「名前のない女たち 最終章」中村淳彦

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中村淳彦。この人はどうしてこんなことを続けてるんだろう。このシリーズを続けて読むたびにそう思う。

企画系AV女優のドキュメント。その生々しさは半端ない。親からの虐待、レイプ、あまりに理不尽な幼少期。体しか求めない男たちとクスリ、精神疾患、自我崩壊。ホントかその話?と聞き返してしまうような激重なトピックしかない。絶望の極み。

そんな話をひたすら何十人も聞き続けてきた彼の精神状態のほうが心配になってしまう。

しかし彼女たちの壮絶な人生から目を背けることができない。なぜこの娘はこのような行動をとってしまうのだろう。自ら地獄へ歩いていくのは何故だろう?そんな思いをインタビュアーの中村も始終感じていたに違いない。そしてそこから、少しでも抜け出せる為の手助けをしたいとも。

だけど不幸は連鎖する。身も蓋もない言い方だけど、本書を読む限り、彼女たちに今の場所から抜け出せる雰囲気はない。

読み手の心をぐしゃぐしゃに掻き乱して、茫然自失状態にする力がある。ちょっとうまくまとめられない、すいません。

遠くからエールを贈ることしかできない。エールなんて軽いものじゃダメだ。祈りだ。そして愛だ。必要なのは。

今から本書が原作の映画「名前のない女たち」を観にいきます。


幸運/ アンジー