「ザッポス伝説」トニー・シェイ

ザッポス伝説 - DIAMOND, Inc.ザッポス伝説 - DIAMOND, Inc.

けっこう分量があるけど読み応え十分の良書です。「サービス」とは何かということを根本から考えさせられる。やはり突出した企業というのは、えっ?そんなことまでやってるの!というエピソードが無数にあるものだ。

オンラインで靴を買うという行為には全く縁がない。試着せずして買うなんてありえない。しかし女友達に聞けば返品できるもーん、とのことだ。時代は常に僕が把握している以上に進んでいる。

「幸せのデリバリー」をモットーに、ザッポスは進化し続ける。特筆すべきはカスタマーサービスの徹底した顧客主義。一足を選ぶために電話で6時間付き合うこともあるという。それによってお客様が満足のいく買い物ができたのであれば、それは評価されるべきことだ、というはっきりした基準もあるようだ。

個人的なことだけど、最近僕は仕事を変えました。奇しくも同じカスタマーサービスの仕事です。今だ研修中で、実務の状況はまだ見えてないのだけど、大手企業ものきなみ、顧客満足度を中心としたオペレーションを構築しているようです。とにかくお客様の目線に立て!としつこいくらい言われますもんね。

会社に強い結びつきを感じる社員はより生産性が高いという傾向があるとおり、ザッポスもまた社員に対する、仕事自体を楽しくする様々な仕掛けを用意している。従業員を思ってのフレーム作り。その内容を読むにつけ羨ましさばかりが募ってしまう。ザッポスの社員が、ザッポスで働くことにどれだけの幸せを感じているのかが手に取るように伝わってくる。

そしてすごく羨ましい記述。

「ザッポスでは考え方、意見、バックグラウンドの多様性を歓迎しています」

さらにドキッとした記述。

「月曜日の朝、仕事に行くのが嫌で嫌でたまらないというとき、人は自分の一部を家に残して行こうとしていることに気づいているのよ」

とりとめなく書いてしまったけど元気のでる一冊だ。血へど吐いて我慢してひたすら努力しろ!という古い社会通念を軸に経営していた社長のもとで僕は働いていて、それは間違ってると思ったから昨日で会社を辞めた。だからなおさら、従業員、個人個人の資質が多様であるほど企業が育つというザッポスに共感してしまうのかも知れない。僕もそんな会社を作りたいと激しく思うのだ。先は長いかもしれないけれどね。

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