詩の練習蝶5「ACHING」
【ACHING】
夏に揺れている
大切でないほうの心は
胸にしまっておくことはできないよ。
体は率先して、その
灼熱の太陽を抱きかかえ
見知らぬ人に強制的に走らされ
捕まえてはまさぐり
了解を得ては吸いつくし
怯えたところで突き放す。
満足を知らない面影が
他人事になっている地図を作ってからは
草いきれに負けた
汚れたドアのまま
小さな悲しみを消してゆく。
歯止めのきかない捻じれた嘘が
芯のある晴れ間を
新しい人に渡してしまって
一人だけの物語が
雲の上で眠る。
http://twilog.org/BIBLIOTHEQUEa