詩の練習蝶6「ティータイム」

ティータイム】


傘を勢いよく開いたら
不幸が降ってきた。
内側では
四人の男が十字架にぶら下がり
布地の裏側からは
飛び出さない。

一方通行の紙ナプキンをわざと
足下に落とす。

だって歩けなかったら電車にも乗れないのよ。
擦り傷とか切り傷があちこちにあってさあ
腐った切り株みたいになってんのよ。
若いあんたにはわからないでしょうけどね。
見る?あ、そう。
そりゃね、あたしだって好き好んでこんなことしてるわけじゃないし。
肝?冷えたに決まってるじゃない。
全身の血が凍りつくってのはまさにこのことなのよ。
ねえねえ
おから食べる?

水曜日以外は会えません
チャージが足りないから。
ええ、アルバイトもあるから。

バサバサの髪をかき上げると白髪が光る。
ぬらぬらしているが紅い油のついてない唇。
そこから白ワインを流し込んで
あたしこのクリンとしたところが好きなのよね。
油で艶を出した髪の毛を一つなでて
そのまま油をジーザスで拭う女。
もう帰りましょうよ。
指先すら
会話を拒否しているんだけど。

お、れ、の、も、の。は
あ、た、し、の、も、の。です。か?
いや、うん、そう、かな?
じゃあ。
はい。

三つ折りにした布団を勢いよく広げたら
いろんなシミをつなぐ線上で
いまにも落下しそうな男たちが
汗か涙のどちらかを滲ませている。
財布に入っている数字の印刷された紙の全てを
電車の窓から投げ捨てろ。
そこでやっと
一服できるから。

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