Give me your hand

酒を飲んで酔う。
そうすると自分の心の奥底に押込められている感情がむくむくと目覚めてくる。
なぜか。
アルコールの陶酔によっていろんなことがどうでもよくなるからだ。
どうでもいいってのは実は大事な部分で、いかに日常の中で我慢を強いられているかの尺度になる。
強いられている感じが強い程、それは反比例して強度を持つ。
シーソーゲームのように。
一人で酔っている時はなおさら解放率が高い。
だから過激な台詞や卑猥な妄想やこれが現時点の真実よ、なんてことがするすると出てくるのだ。
しかし理性が邪魔をする。
悩みをぶちまけることを阻止する。
シャーロットブロンテ、エミリーブロンテ、アンブロンテ。
三姉妹の物語を書きたいと思えど、そんな知識もセンスも持ち合わせていない自分には妄想するのが関の山。
それを愛と間違えることによって愛のなんたるかを知る、ことなんかあるのだろうか。
終わらない恋のほうが楽しくはないだろうか。
地獄・天国、客観的な意見なんかいらない、と思う。
当事者であること、そして自分が究極の恋愛を成就させようとやっきになっていること。
特別な人と互い傷つけ合いながら、傷つけ合うたびに反省して、でも自分の履歴なんて改稿できるわけもなくただうなだれて。
でも離れたくない一心でしがみついて、瞬間の喜びに打震えて。
例えばあの娘が「愛しているのは貴方だけなんです」と言えば天国で、「貴方となんか出会わなければよかった!!」とにらまれるか泣かれたりしたらもうこの世の終わりで死んでもいい。
まず追いつめられるのは自分の常識だ。
貴方はなんで俺ではないのだろうと無茶な想いが横切って、約束も未来も契約も無しに貴方と一緒にいることができればそれが究極なんじゃないかとふと頭をかすめて、でもそれじゃ嘘っぱちの責任逃れじゃんということもわかっていて、じゃあ心中しかないんじゃないかな?
俺の態度が貴方を壁に押し付けてる。
それは事実でしょうね。
押し付けた側はなぜそうしたのかもわからずに、続けざまにぐいぐいやってしまう。
ロボトミーのオペを自らやって性格を変えていけ。
メロドラマのどこが悪い。
泣きながら抱き合っていてもいいじゃないか。
裸で絡み合ってる時だけしか貴方を信じられない。
そんな台詞をもらった俺はどうすればいいのか。
俺の愛してるも一緒にいたいも全て効力を持たない。
出会ったことのない人種同士の不和、しかし雷同、でしょう?
解決するのは筋肉が育つ期間を待つのみなのか?
抱えた鞄の中には何が入っているんだい?ねえ?妄想のオンパレード。
太陽とか北風とかそんな悠長なリズムで日常は過ぎていかない。
絵本を手に取った時のふわりとした気分。
時間の流れが緩やかになったような、それでいて未来を感じさせる何か。
血のつながり、渡し合うこと。
そのイメージが醸し出す、人間の綱、つながって、つなげて、渡して、誰に?貴方に?えっ?渡していいのか、貴方に、汚れた爪でその手に触れていいのか。
明日なんか見えない、だから絵本なんかいらない。
絶望の歌。
ああ麗しの人生讃歌。
砂漠でもそれを声高に放てるのか?
帰れなくてもいい。
俺が欲しいのはその台詞だけだ。
永遠という言葉の2段上、もう少しで天使の羽に触れることのできる瞬間の心の欲動。
大きな擦り傷。
陸橋の上。
はじめからわかっていた。
そんな歌は必要ない。
忘れるために生きているのか?空しさをタイムテーブルに乗せながら、ああ今日も不本意だったと嘆くために生きているのか?
永遠に貴方のそばにいます。
「命ある限りそしてなお永遠に」。
そうだこんな荒唐無稽なフレーズをシャンパンの気泡に溶かせ。
許し合え、認め合え、馬鹿でも、嫉妬に狂っても、個性云々の前に。
それが他者だ。
自由自由自由。
2人でも自由なのか?幻想なのか?どこまで確かめ合えば幻想から解放されるんだ?何億光年想えばいいんだ?
俺が、貴方が、その互いの生をダイレクトに喜んで老いていく体を肯定できるのはいつなんだ。
束縛は甘い、自由は眩しい。
俺は束縛を選んだ。
束縛されることで書くべき手紙を端折って、生活に肉体を恐喝のテンションで混じらせて獣、能動的に食らいつくガーゴイルのレベルで世界を征服しようと思ったのだ。
俺達ならできるだろう、ねえ貴方。


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